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Posted by のらんば長崎運営事務局 at

2013年06月24日

ラオンが教えてくれた事

他の部族の争いの 仲裁から帰ってきた私の目に飛び込んだのは 家族や仲間が 皆殺される
という 悲惨でした。
残された男たちは 口々に報復を叫びます。中には仲裁の為の留守中に起こったことを嘆き 自分を
責める者もいました。
報復への気持ちに熱くなっていく中で 長老は それを絶対に許しませんでした。

敵の素性は おおよそ見当がついていました。
しかしそれは いくら強くても 20人以下の男たちで かなう人数の相手ではなく その気性の荒さも
とても太刀打ちできるものではありません。
しかし報復を止める長老の思いは そのような事ではなく 次のようなものでした。

「こうなったのは 天の意思によるもの 戦うは人ではなく 心の中の自分だ・・・・。」と。

長老は このまだまだ先の続く若者たちの 未来を守ったのです。

その後 親戚関係にあった部族の 土地の元に身を寄せ 女たちを娶り その後に続く血筋を
残してゆきました。

いろいろな過去を思い出す中で 悲惨といった経験は この人生だけではありませんが、
私は 強く悲しい事があると このラオンの人生を思うのです。
そして この耐え難い事を 乗り越え未来を築いていった人々に とても強い尊敬の念を抱くのです。

愛する犬の弱って行く姿に 私は ラオンに声をかけずには いられませんでした。
他の犬を連れ 歩きながら ラオンに質問をします。

「ラオン あなたは とてつもない悲しみを乗り越えた。すごい人生でしたね。私が その立場だったら
どうしていただろう・・・。ラオン 今私は とても悲しくて辛い。こんな時どうすればいいのだろう。
あなたは あの時どうやって 未来へ進んで行ったのですか?」

「悲しみも あのくらい大きくて 突然の悲惨だと その時は むしろ頭の中は真っ白で 悲しみすら
忘れてしまったような感じになるんだよ。」

「悲しい事 辛いことがあった時はね ただひたすらに 目の前にある やれる事 やらねばならぬ事を
一つずつ 慎重にやっていくことなんだ。コツコツと 慎重に そして心を込めてやっていく。
どんな小さなことで あったとしてもね。」

「私があの後 コツコツと慎重に やったことはね。一人一人のお墓を 作って
すべての仲間を 心を込めて弔った事なんだよ。」

そうか・・そうなんだ。辛い事 悲しい事 生きていれば 胸の痛む事は いくらでもやってくる。どんな人にも。

そんな時は ただひたすらに 目の前にある事を 慎重に 心を込めてやっていくことなんだ。
コツコツと一つずつ。

「悲しい事があったとしても 自分がやりたい事を やっていいんだよ。そんな時 自分を責めちゃいけないよ。」
「やれる事も やりたい事も やらねばならぬ事も すべては 天があなたに贈っているものなんだ。」

「だから目の前に与えられたものを ただひたすらに 解いていくことなんだよ。心を込めて」

「そうだね。ラオン コツコツと 目の前にあるものを やっていくよ。一つずつ すべての事に心を込めて。」
「愛を込めて。」

そうして 私は精一杯 愛する犬のお世話と そして やれる事 やりたい事 やらねばならぬ事を
慎重に選択し 一つ一つをコツコツと 大切に 成し遂げていくのでした。

辛さ 悲しさ すべてを 愛を深めることに 変えていきながら・・・。

  


Posted by 愛 みーこ at 23:32Comments(4)